このカタログで扱っている床ずれ防止用具は、マットレスと体位変換器および車いすクッションですが、褥瘡はベッドや車いす上だけでできるものではありません。褥瘡を作ってしまった時はまず、何が原因でできたのかを確認する作業が大切です。
できてしまった褥瘡に対する配慮と、褥瘡の予防とでは対策も異なって当然です。「床ずれ防止用具」という名称からもわかるように、基本は防止することです。
ベッド上で仙骨部周辺に作る褥瘡でも、臥床時間が長いことによる圧力が原因の場合や、ベッドの背上げ時のずれによる場合や、不適切な背上げ姿勢による圧迫による場合、排泄ケアが不適切であることによる場合、骨突出による場合、栄養管理の不適切など等多くの原因が考えられ、これが重複して原因となっている場合もあります。原因がわからなければ対策の立てようもなく、ただ単に褥瘡の治療期間中の圧力の分散ができるだけになってしまいます。
褥瘡を作りやすい人の場合には、リスクをきちんと評価し、個々のリスクに対する対策を総合的に考えることが大切です。
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- 褥瘡のリスクは個人によって異なります。ベッドや車いす上での体動の可能性(寝返りというきちんとした動作ではなくとも腰を浮かせられるとか、少しだけ動かせるとか)や感覚系の障害に関して確認します。
感覚系や循環系に障害がなく、わずかでも体動ができるとずいぶんリスクは小さくなります。
- 褥瘡のリスクは個人によって異なります。ベッドや車いす上での体動の可能性(寝返りというきちんとした動作ではなくとも腰を浮かせられるとか、少しだけ動かせるとか)や感覚系の障害に関して確認します。
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- 骨突出があるとその部分に圧集中がおきやすく、褥瘡を作りやすくなります。
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- 排泄ケアが不十分で、排泄物による皮膚へのダメージがあると当然褥瘡は作りやすくなります。この場合にはマットレスの対応では解決できません。
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- 既に褥瘡がある場合には、作った原因を考え、体圧が問題の場合はひとまずは褥瘡部分の圧を小さくすることが大切です。
エアマットレスや体圧分散特性のよいウレタン系などのマットレスを利用せざるを得ない場合が多いと言えます。
いずれが問題の場合はずれを小さくする工夫が必要です。移乗動作でこすったりぶつけたりすることが原因の場合はその原因をなくす工夫が必要です。
- 既に褥瘡がある場合には、作った原因を考え、体圧が問題の場合はひとまずは褥瘡部分の圧を小さくすることが大切です。
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- 現在はない場合でも過去の経験は貴重な情報です。いつ 頃どこに作ったか、どの程度だったか、治癒までどれくらいかかったか、原因は何かなどわかる範囲で確認しましょう。対策を立てる上で大きな参考になります。
- エアマットレスやウレタン系の圧分散特性のよいマットレスが適合になります。
- 介助の方法を基本的に見直す必要があります。背を上げる前に正しい位置に寝かせること、その場合にどのような介助動作で位置を変えるかも考えます。また、背を上げるにつれて頻繁ないわゆる「背抜き」介助が必要になります。背を下げた時も必ず側臥位をとりながら、ずれを解除します。
- 背上げ時に臀部周辺の空気圧を高くできるエアマットレスを選びます。
- エアマットレスで、エアセルの空気圧が変動することによって船酔いのような不快感を感じるときはエアマットレスよりはウレタン系のマットレスの方が向いていると言えます。
体にかかる圧力を分散し、床ずれを予防
- 三連の圧切替に加え、人間の身体の各部位の特徴に合わせ、マットレス全体を合計7つのブロックに分けてコントロールします。
- マットレス側面にある寝位置表示マークに、寝る方の大転子を合わせると、ブロックコントロールの効果を最大限に引き出します。
- 頭部のエアセルは、頭部が揺らされないように圧切替をなくし、船酔い感を軽減。
- ポンプと送風チューブをマットレス内部(足方向の右側)に収納。
- 安定性と柔らかさを持つウレタンフォームをベースに、リスクの高い腰部にはエアセルを採用。
両方の利点を兼ね備えたハイブリッドタイプです。 - 格子状に並んだ54個のエアセルが交互に膨張する「チェッカーオルタネイト方式」により、不安定感がなく体幹も遮断しません。
- 圧力センサーによってエアセルを自動制御する、信頼性の高いポンプを採用。