靴を足の大きさに合わせ、使用環境に合わせるように、車いすも身体の大きさに合わせ、使う目的に合わせて選択調整する必要があります。できあいの車いすをそのままレンタルするようなことはやめましょう。場合によっては虐待につながりかねません。
車いすが適切に適合されれば、今まで介助で移動していた人が自走するようになることもあります。車いす上で姿勢が崩れ、長い時間座っていることができなかった人が長時間にわたって車いすに座っていられるようになります。車いすは不適切な適合と適切な適合の差が激しく、適切に適合すると、利用者の表情が瞬間的に変化する場面に出会うこともできます。このような経験をすると、この仕事をしていてよかったとつくづく感じる瞬間でもあります。車いすは移動を支援する用具ですから、人の生活にとってはなくてはならないものです。ていねいに支援しましょう。
車いすにはいろいろな種類があり、同じような自走式の車いすでも個々に特徴が異なります。自社で扱っている車いすの特性は確実に把握しておきましょう。
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- 俗に言われる標準型自走式車いすで調節できるタイプです。モジュラー型といわれることもありますが、正確にはモジュラー型と調節型は異なります。後輪が大きい(20、22、24インチ)ので自走式といわれますが、介助で使用する場合も後輪は大きい方が多くの場合有利です。介助者用のブレーキがついているタイプもあります。
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- 後輪径が小さく、介助者用のブレーキがついています。
後輪が小さいと、屋外では乗り心地が悪く、操作がより大変になります。屋内など、狭い場所で使用する時には後輪が座面の下に入るタイプは全体の横幅が小さくなり、取り回しが容易になります。
ただし、このような場合には前輪キャスターも小さい方が狭い場所で利用する時には有利になります。 この車いすでは自走できませんので、自走の可能性が少しでもある場合には慎重に利用しましょう。 可能性を奪う支援になりかねませんのでご注意が必要です。
- 後輪径が小さく、介助者用のブレーキがついています。
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- 標準型車いすでは調節を適切にしても、座っていて座骨が前に滑ったり(いわゆるずっこけ姿勢)、体幹が横に傾いてしまうような、姿勢が崩れてしまう人が利用します。 座面自体を傾けられるティルト機構とバックサポートクッションの体幹の側方支持機能によって、体幹バランスが悪い人でもきちんと座っていることができるようになります。 座面(シート)や背もたれ(バックサポート)角度は時々変更し、座圧の分布を変えたり、関節角度を変えることによって、比較的長い時間快適に座っていることができるようになります。
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- 屋外の環境で、車いすをこぐ力がない高齢者にとって、電動車いすは最適な乗り物です。また、自転車や自動車を運転できない人にとっては電動四輪車は屋外でも最適な移動手段です。
ただし、ともに電動で動きますので、事故を起こしかねません。事故を起こした時にきちんと責任をとれるか否かが利用できるかどうかの分かれ目です。
- 屋外の環境で、車いすをこぐ力がない高齢者にとって、電動車いすは最適な乗り物です。また、自転車や自動車を運転できない人にとっては電動四輪車は屋外でも最適な移動手段です。
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よくある要望です。基本的には後輪が大きな自走用車いすで、介助者用ブレーキがついている車いすに、ウレタン系のクッションを利用します。
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高齢者の場合には一般的には屋内使用になります。軽く動かすためには、大きさ(座幅、座の奥行き、座面高、バックサポート高さなど)を身体に合わせることは当然として、車輪軸位置を前方に、タイヤを幅が狭く、硬いものにすればフローリングの床などでは軽く動きます。
ただし、このようなタイヤは屋外では振動がひどく、乗り心地が悪くなります。 -
これも一般的には屋内使用ですから、タイヤは両手こぎと同様です。
座面高さが低い方が足こぎは容易になります。下腿長40cmを目安に、本人と調節し決めます。しかし、片手片足こぎの場合には座面高さが低いと足こぎは容易になりますが、まひ足の支持をしっかり考えないと姿勢が崩れやすくなります。一般的に片手片足こぎはきわめて難しい移動手段ですから、利用者が一度獲得した方法を変更することは難しく、長年このこぎ方をしている人の車いすは同じように調節した方が無難です。 -
標準型で姿勢が崩れる人には座面角度を調節できるティルト機能が必要です。これに、背もたれ角度を調節できるリクライニング、頭の位置を容易に変更・調節できるヘッドサポート、膝関節を伸展できるレッグエレベーション、体幹の側方支持を可能とするバックサポートクッションが必須の条件になります。リクライニングだけの車いすは座骨が前方に滑りやすく、背を上げると体幹の側方への支持が不足し、特定の要求(股関節を伸展位で利用したい)がある人にしか向きません。
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認知や空間認識などの能力に問題がないことが大切です。電動で動くものですから、事故をゼロにすることはできません。必ず事故が起きるということを前提に、事故が起きないように、また事故が重大にならないように、事故が起きたあとの処理が適切にできるように考えます。重大な事故を起こす確率が高そうな時や事故の後処理で問題がありそうな場合には使用自体をやめた方がよいといえるでしょう。ジョイスティック操作の電動車いすは屋内外共用で、電動四輪車は屋外用です。なお、介助者が操作する介助用電動車いすもあり、屋外で坂道がある環境では坂道の昇りも降りも両方とも電動車いすだと安全に走ることができます。
操作性の良さで介助者の負担を減らす
- 工具を使わずにシート幅を簡単調整!
- フットプレート前後調整・角度調整可能。
移動における介助量の軽減をお手伝い
- アームサポートは跳ね上げ式、フット・レグッグサポートは跳ね上げ式・着脱式です。
- 超軽量の強化アルミパイプをフレームに使用しているので、軽くて丈夫です。
体勢にあわせたサポートで、楽な姿勢で安全に移動
- バックサポートの上部が前方に折れ曲がり、体全体を面で受けることで、姿勢の安定性、体圧分散性が格段にアップ!
- 連動ティルト&リクライニング機構で、すべり座りを防止。
- 折りたたみ時の収納スペースも従来のティルト型よりコンパクト。
- 上下・前後・左右・角度調整式ヘッドサポートで誤嚥防止!
- フットプレート前後・角度・幅調整可能。
坂道でも一人で移動がらくらく
- 走行状況に合わせて、操作部のスイッチで最適な速度に設定可能(介助用操作部付)。
- 操作部のランプにバッテリーの残量が表示されるので、すぐに確認できる。
- ジョイスティックレバーから手を離すと、自動的に電磁ブレーキが働き停止。